今回はお隣の稲城市のお客様です。
過去に行った インスベクションの資料を基に
少々気になるところもあるので見てほしいとのご依頼でした。
まずは「屋根」
スレート屋根の状態から、塗替えで良いのか?カバー工法か?とお悩み中
これは多くのお客様に聞かれますが
今回塗装することで10年前後は持たせられます。
ですが、次回には葺き替え又はカバー工法が必要となるでしょう。
一般の30坪前後のお宅では
塗装費用が20~30万(選択する塗料により幅があります)
カバー工法ですと、商品にもよりますが100万円前後と
金額にかなりの差が出ますが
これを今回のコストにするのか?次回にするのか? ここが判断の目安になるでしょう。
大事な建物ではあっても、無限に予算があるわけでもないでし
次回へ先延ばしした場合は、今回の塗り替え工事代金が無駄?との考え方もあるので
お子様の成長のタイミング(大学なんかはかなりお金がかかりますので)なども踏まえて
計画していくと良いと思います。
今回はカバー工法を選択
棟板金を外して
ルーフィング張り
唐草 ケラバ の専用金物を取り付けたら
本体を張っていきます。
棟部分へは 換気用の切り込みを入れ
棟換気(小屋裏換気)を設置
カバーを付けて完成
棟換気・小屋裏換気とは
建物の軒天井や壁面に設置された通気口から入ってきた空気を
屋根の頭頂部で排出する仕組みです。
温度差があると、暖かい空気は上へ上へと昇っていきますから
屋根裏で熱せられた空気はどんどん排出されて、通気口から新しい外気が屋根裏へ入っていきます。
こうすることで、屋根裏の気温を外気と同等にすることが可能となるわけです。
しかも自然に温度差で行われますから、設置工事以降のコストはゼロ!
古い住宅では、新築時に設置されていない事も多いので
塗替えや・カバー工法の際には是非検討してください。
※塗替え時に棟換気だけの新設も可能です。
続いて「外壁」 施工前です。
木造ALC(へーベル)
へーベルライト へーベルパワーボードと木造に使用可能で
防火性能 断熱性など 優れた建材ではありますが
サイディング等と比べると 一枚一枚のパネルサイズが小さい為
目地の数量が非常に多くなるという欠点?があります。
この欠点と言っているのは、構造強度などの話ではなく リフォーム時のコスト的な話です。
30坪前後の一般的なサイズの建物の場合 シーリングの打替えが
サイディング貼りでは、目地・サッシ廻りで200~250mくらいですが
木造ALCでは500m超えてきます。
当たり前ですが、打替えの費用も数量分増えてきますので
そういった意味での 数少ない「欠点?」という事です。
今回は、過去に外装リフォームの形跡がなく
今後の安心を最優先し 目地から全て撤去・打替えで行いました。
トーシンでは、ALCの塗替えの場合でも必ず外壁へテープ養生をします。
3枚目 へら押え中の画像を見ると分かりますが
テープの上に薄くシーリング材が延ばされているのが分かりますね
一般の業者だと、このテープを貼らない為に外壁へ薄くシーリング材が残ってしまうのです。
防水上は正直問題は無いのですが
この薄く延ばされたシーリング材の上に塗装をすると
数年で塗装がブリードによる変色をしてきます。
街中で時々見かける、ひび割れ補修跡が 壁は白いのに黒ずんでいるのを見たことはないでしょうか?
正直 みっともないですよね?
そのような状況にしない為に、テープ養生は欠かせませんが
トーシン以外でやっている業者はほとんど見たことないので、他社さんに頼む際は期待しないようにしてください。
※尚、このブリードというのは「可塑剤の移行」により発生します。
これに関しては、いずれ詳しく書き記したいと思います。
「外壁他 塗装」
お若いご夫婦とあって 思い切った配色です。
壁は黄色 天井・破風・樋はオレンジ
この仕上がり 通り沿いにあったら目立ちますねー
このような原色に近い色を選ばれる場合は トーシンでは溶剤系の塗料へ変更させていただいています。
理由としては、どうしても水性塗料では鮮やかな色ほど発色が悪くなりやすい事と
同グレードの商品であれば、やはり水性より溶剤の方が耐候性も高い為 色褪せも遅いです。
工事期間中は少々においますが、きれいな状態を長く維持する為とご理解ください。
「基礎」
建物の基礎部分のひび割れが気になるとの事でしたが
基礎コンクリート そのもののひび割れではなく
保護モルタルの ひび割れ・浮きでしたので
部分的に斫ってモルタル補修しておきました。
この保護モルタルというのは
内部の基礎コンクリートの中性化を防ぐために施してあります。
ですので、保護モルタルがひび割れているからと言って 直ちに建物に不具合が出るわけでは無いです。
訪問販売や シロアリ?無料点検?業者が オーバートークで攻めてくるところですので
正しい知識を持っておいてください。
今回屋根裏で、微量の雨漏りがありましたが 原因は通気ガラリからの吹込みでした。
ルーバー最下段からの吹込みはよくある事なので アルミフラットバーで抑えて
このままでは、虫が入り放題ですから
防虫網を 両際の柱に固定し
防水テープで上下を止めて 完成
これは当たり前ですが 屋根裏での作業です。
雨漏りの確認などでも屋根裏へ入ることがあります。
勿論、十分注意しておりますが
薄暗い中 ライトの明り頼り 誇りまみれで滑りやすい梁の上しか歩けません
過去に一度だけ 足を滑らせて天井ボードを踏み抜いてしまった事があります。
その時のお客様は
「アラアラ しょうがないわね そろそろクロスを張り替えようと思っていたのよ
クロス代は私が払うから でも天井は直してね♪」
そんな素敵なお客様でした。
クロス代を払ってくださいね という話ではなく
仕方のない事と その部位の復旧で納得いただけるお客様の家でないと 怖くて登れません
「ウギャー ムキー どうしてくれるのよ!もう建替えよ!!」などと言いそうな チョットおかしい方は
是非是非 他社様へお問い合わせください。
それでは
執筆者紹介
トーシン株式会社
代表取締役
畑農 維人
1級塗装技能士。調布市を中心に外壁塗装や屋根工事だけでなく、防水工事やマンション改修、リフォームも多く手掛け水廻りや電気工事等にも精通。また雨漏りの修理では「漏れ続けていた雨漏りが止まった」というお客様も多く、毎年多くの現場に駆けつけている。
執筆者紹介
トーシン株式会社
代表取締役 畑農 維人
1級塗装技能士。調布市を中心に外壁塗装や屋根工事だけでなく、防水工事やマンション改修、リフォームも多く手掛け水廻りや電気工事等にも精通。また雨漏りの修理では「漏れ続けていた雨漏りが止まった」というお客様も多く、毎年多くの現場に駆けつけている。
- 投稿タグ
- 稲城市 塗替え 木造ALC