屋根専用塗料という訳ではありませんが
近年の真夏の暑さ
リモートワークや、リモート授業等の増加により
日中の2階居室の使用時間が長いお客様には
屋根の塗替え時に「GAINA」を勧めています。
2階にリビングの有るお宅にもお勧めです。
屋根にGAINAを使用する事での効果として「断熱」と「防音」が2大特徴となります。
まずは「断熱」の話から
一般塗料メーカーの屋根用塗料は、「遮熱」が主流でシリコン・フッ素等ありますが
トーシンでも、塗替え時の提案では遮熱塗料2種とGAINAの3種類で提案しています。
遮熱塗料とは、赤外線の反射率を高める事で
熱の影響を小さくしようとした商品ですが
効果はあるが体感出来ない というのが現状です。
但し、遮熱効果なしの屋根用塗料と比較しても
そこまで単価の変わるものではない為
どうせ使うなら、遮熱塗料という選択となります。
GAINAにも、この遮熱性能は備わっているので、断熱+遮熱という事になりますね。
断熱性能を充分に発揮させるためには、0.4kg/㎡以上の塗布量が必要(メーカー数値)となる訳ですが
ここが重要な部分です。
一般の30坪総2階建てですと、屋根の面積は70㎡前後の建物が多いです。
0.4kg×70㎡とすると、使用量は28kgになります。
GAINAは1缶14kg入りなので、多くの業者さんは2缶持ってくるはずです。
それで計算上はピッタリ! なのですが
スレートには段差もありますし、多かれ少なかれ塗ムラ(厚みの差)も発生しますし
その上、タッチアップ用に多少は残しておく事を考えると
2缶では、0.4kg/㎡以上というのは達成できません。
トーシンでは、0.5kg/㎡以上を最低塗布量として材料をオーダーしますので
ほとんどの現場では3缶搬入。
しかも、補修用に1~2kg残して使い切りとしていますから
㎡に対して、0.55~0.6kgくらいの塗布量を維持しています。
一般塗料の場合は、メーカーの規定塗布量を超えて厚く塗ったところで、性能がアップしたりはしませんが
GAINAの場合は話が別で
塗料というより断熱材としての効果を求めているので
厚みが増せばその分断熱効果が高まるのは、室内の工事で使われる断熱材と同じ原理です。
注意が必要なのは
いわゆる3回塗り シーラー1回・GAINA2回では
0.5kg/㎡以上をキレイに塗るのは難しい事
そして、多くの塗料が1度に厚塗りしてしまうとひび割れの原因となる為
トーシンでGAINAを塗る場合は、
シーラー1回・GAINA3回の計4回塗りとなっていますが
カタログ上に記載のない施工方法ですので
お見積り上は3回塗り、料金も3回塗りの単価ですから
お客様にとってみれば、勝手に4回塗ってくれていてラッキー♪ となります。
(だからといって、安くはありませんが…)
時折耳にする、GAINAを塗ったのに効果を感じないというお宅は、多分ですが、塗布量不足です。
他社さんへご依頼する場合は、多少値段が上がっても0.5kg/㎡以上をお願いしましょう。
断熱効果が高まる事で、夜になってもおさまらない
2階に上がった時の「モアっと感」や、エアコン付けてもいつまでたっても寝苦しい感覚は、かなり軽減されます。
出来れば夕方陽が落ちてから、2階の窓を開けて一旦空気を入れ替えましょう。
あとは、棟換気が付いていないお宅は
塗り替えの際に、セットで棟換気を付けることもお勧めします。
続いて「防音」の話。
GAINAには防音効果も備わっていて
その効果を発揮する為には、0.46kg/㎡以上の塗布量が必要です。
0.5kg以上を基本としているのは、これも重要だからなんですね。
大雨が降ると、スレート屋根やトタン屋根では、バタバタバタっと、雨音が響きます。
しかしGAINAを塗ると、正直「雨音」なんてほとんど聞こえません。
地面への雨音が窓からは聞こえても、屋根からの音は聞こえない。
リモートワークや会議・リモート授業の時に大雨でも、全く気にならないでしょう。
就寝時の雨も、サッパリ気付かないのでお勧めです。
注意事項は、雨音が聞こえなくなるので
微妙な天気の時に洗濯物を干していると、気付いた時には残念な状態になってしまいます。
さて、ここまで良い所ばかりお伝えしてきましたが
デメリットもいくつかあります。
- 材料が高い
これは、工事業者の努力では何ともなりませんが、日中のエアコン使用量が多いお宅では、時間の経過とともに電気使用量で相殺できるのでは?と考えます。
- 見た目が少々ダサい
一般に多く使われている屋根用塗料の場合は、ほとんどが高光沢!
(こんな感じ)
ピカピカで、塗り替えました!!といった感じですが
GAINAの場合は、完全な艶消し塗料。
表面も粗くザラザラしており、やはり高光沢の塗料と比べると汚れも付きやすい。
そして、屋根に塗るうえで一番問題なのが
黒やこげ茶などの濃色が作れないので
見た目の重量感がなく、ちょっとフワっとした見た目になります。
さすがにそのままでは気に入らないので
トーシンで塗り替えた場合は、こんな感じ
棟板金部分を縁取るように、濃色の2液型シリコン塗料で塗る事で
多少ですが、締まり具合も出てきます。
下から見ると、こんな感じ。
画像のように、玄関庇など断熱が不要な箇所は、見栄え重視で弱溶剤の屋根用塗料で仕上げています。
- 塗りにくい
お客様には、全く関係ない話ですが、弱溶剤のシリコンやフッ素と比べると、すこぶる塗りにくいです。
デメリットはこのくらいでしょうか?
あと最後に付け加えるメリットとしては
いつか未来に、スレート屋根の上にカバー工法等を行った際
新たな鋼板屋根の下に、断熱材が敷き詰めてある状態となりますので
長期的に見ても、メリットが大きく上回る塗料と思って頂いて大丈夫です。
※内装に使った場合
内装用に、遮熱効果を除外した商品があります。
断熱効果はモチロンありますので、エアコンの効き具合(効率)も良くなることは当然で
防音効果も高いので、天井へ塗る事で2階からの音が軽減出来たりもします。
尚、断熱効果を求める場合には、ガラスサッシとの兼ね合いも重要で
壁面だけ必死に断熱効果を高めたところで、サッシから隙間風が入ってくるようでは
全く意味がありませんので、ご注意を。
プラスαの効果として「消臭と空気質改善」
こちらは、URLを貼っておきますので
メーカーページでご確認ください。
こんな理由からも、内部に使ってみるのも良いと思いますよ。
(当社事務所内も、内装用のGAINAで仕上げています。)
長すぎて、文章書くのに疲れたので
今日はここまで
執筆者紹介
トーシン株式会社
代表取締役
畑農 維人
1級塗装技能士。調布市を中心に外壁塗装や屋根工事だけでなく、防水工事やマンション改修、リフォームも多く手掛け水廻りや電気工事等にも精通。また雨漏りの修理では「漏れ続けていた雨漏りが止まった」というお客様も多く、毎年多くの現場に駆けつけている。
執筆者紹介
トーシン株式会社
代表取締役 畑農 維人
1級塗装技能士。調布市を中心に外壁塗装や屋根工事だけでなく、防水工事やマンション改修、リフォームも多く手掛け水廻りや電気工事等にも精通。また雨漏りの修理では「漏れ続けていた雨漏りが止まった」というお客様も多く、毎年多くの現場に駆けつけている。